「陽気なギャングが地球を回す」

昨年の「このミス」6位。伊坂幸太郎の小説は初めて読んだ。これ、映画になりそうな題材だな。ちょっと前なら監督には岡本喜八が適役と思うが、今なら誰だろう。「g@me.」の井坂聡あたりか。

それぞれに特技を持つ4人の男女が銀行強盗を企てる。うまく4000万円せしめたものの、逃走の途中、現金輸送車ジャックの犯人たちに車ごと奪われてしまう。4人は奪った犯人を追いつめようと画策するが…。というストーリーで、文章が軽快なためスラスラ読める。キャラクターの設定もうまい。品の良い笑いとひねったプロットで描くユーモア・ピカレスク(表紙に長編サスペンスとあるが、大きな誤り)。「このミス」3位の「重力ピエロ」も読みたくなった。