昨日、書店に行ったら、長男が「出てるよ」と言ったので買う。奥付を見ると、2月に発売されたのかな。6巻まで一気読みしたのが、昨年8月。これは浦沢直樹作品ではベストではないかと思った。7巻を読んでもその印象は変わらない。
浦沢作品は「20世紀少年」も「モンスター」も長すぎる傾向がある。話がもう終わってもいいと思えるのにそれでも延々と続くのは、たぶん雑誌編集者の要請もあるためだろう。「PLUTO」は8巻で終了するという。手塚治虫「地上最大のロボット」という枠組みがあることが幸いしているのだ。話の細部を膨らませることはできても、最強ロボットのPLUTOがアトムを含む世界最高水準のロボット7台を倒すというプロットを大きく変えられないのだ。これは足かせではあるけれど、浦沢作品には有効に作用した。
7巻ではついにエプシロンも死んでしまう。そしてこれまで断片的にしか見せなかったPLUTOの全体が初めて描かれる。6巻までに主人公の刑事ロボット・ゲジヒトが死に、アトムも死んだが、この2人が復活することは容易に想像がつく。7巻では予想通り天馬博士の手によってアトムが復活した。
7巻まで読んで感心するのはドラマティックな見せ方で1巻の最後のアトムと2巻の最後のウランの登場シーンや初めてアトムが空を飛ぶシーンには胸が震える。続きを読みたくて仕方がない気分にさせる。オリジナルを超えるリメイクであることは疑いの余地がない。もうあとはボラーとの決着がつく8巻を待つだけだ。6月発売が待ち遠しい。