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「ものぐさ自転車の悦楽」

「ものぐさ自転車の悦楽」

「ものぐさ自転車の悦楽」

サブタイトルは「折りたたみ自転車(フォールディングバイク)で始める新しき日々」。自転車生活を始めるに当たって選択すべきは折りたたみ自転車である、ということを提唱した本だ。なぜか。ものぐさな人でも大丈夫だからだ。普通、最初に買う自転車はクロスバイクであることが多い。ロードバイクのドロップハンドルには抵抗があるし、そんなに長いツーリングをするつもりもなく、通勤に使うだけなら、クロスバイクで十分と思うのが人情なのだ。そして自転車に夢中になった後、最初からロードバイクにすれば良かったと後悔することが多いのだそうだ。走りの性能において、ロードバイクに勝るものはないということが分かってくるから。そうなると、クロスバイクは買い換えることになってしまうが、折りたたみ自転車はロードバイクと共存できるのがメリット。だからこの本の主張通り、最初は折りたたみを選ぶのは間違いではないのだろう。

この本ではなく、同じ疋田智さんのメルマガに影響されて、先週、ダホンのMu P8(ミューP8)を注文した。以前から自転車は欲しかったのだが、僕にも最初からロードバイクに乗ることには抵抗があった。メルマガを読んでハッと気づいた。僕は酒飲んで車を会社の駐車場に置いて帰ることが多い。翌日、バスで取りに行くことになるが、うちはバス停まで20分近くかかるのだ。いや、20分ぐらい歩くのはウォーキングが趣味の者としては何でもないのだけれど、バスがなかなか来なかったりして時間がかかる。折りたたみ自転車なら、自転車でさっさと駐車場に行き、車に積んで帰れる。

折りたたみ自転車といってもスポーツバイクなので、走行性能はママチャリとは比較にならないほど良い。自転車生活の第一歩にはもってこいなのだ。

実際に使ってみれば分かる。フォールディングバイクは、完璧にスポーツ自転車でありながら、同時にものぐさ者のための自転車でもある。
つまり、この自転車こそ、究極の汎用自転車なのだ。

本書で紹介している折りたたみ自転車はブロンプトン(英国)、BD-1(ドイツ)、ダホン(米国)の3メーカーの自転車。ダホンではBoardwalk D7が取り上げられているが、メルマガでは「正直なところパーツが若干プアである。自転車マニアが乗って納得するためには、パーツを色々交換しなくてはならない」とあり、「乗り味がしっかりとソリッドで、スピードを出しやすい」としてMu P8を推奨している。

折りたたみ自転車だけにとどまらず、自転車生活の楽しさと注意点が十分に網羅されていて、本書を読むと、自転車生活を始めたくなる人が多いだろうし、折りたたみ自転車を買いたくなるだろう。

【amazon】ものぐさ自転車の悦楽~折りたたみ自転車で始める新しき日々

「ヒルクライマー」

「ヒルクライマー」

「ヒルクライマー」

疋田智の「週刊 自転車ツーキニスト」で紹介されていたので読む。「ダーティペア」や「クラッシャージョウ」のSF作家・高千穂遙の自転車小説。帯には「日本初の自転車山岳レース小説」とある。漫画では「シャカリキ!」という坂馬鹿(=坂登りに熱中する人)を描いた名作があるが、小説では確かに前例を知らない。

ヒルクライマーも自転車で坂を登る人を指す。山岳レースに打ち込む男女が登場し、白熱のレース場面を中心に男女の恋愛模様や家庭の問題を織り交ぜて描いている。自転車がもっともっと中心でも良かった。もっと長くても良かったと思う。自転車小説入門編として300ページ足らずの長さは適当かもしれないが、まだまだ読み足りない。続編はこの2倍ぐらいの長さを期待したい。

主人公の松尾礼二は19歳。マラソンで大学に入ったが、チームプレイの駅伝に出場するのが嫌で大学をやめる。死んだ親友からフランス製のロード自転車ルックを形見分けとして贈られたのがきっかけで自転車チームに所属。マラソン選手だったので体力に自信はあったが、最初の練習では女性にも負ける始末だった。ヒルクライムに魅せられ、奮起した礼二は猛練習に打ち込み、急速に力を付ける。

クライマックスは長野県小谷村の栂池高原で行われるヒルクライムレース。礼二は予選で、チームの先輩で45歳ながら実業団並みの力を持つ神音大作に必死についていく。そして残り5キロでロングスパートをかける。

礼二は大月、平沼、横溝に無視された。この若造は、すぐにつぶれる。もって、せいぜい一、二キロ。そこで失速し、集団に抜き返される。そのように判断された。
違うぞ。
心の中で、大作はつぶやいた。
あいつは、ものが違うぞ。

高千穂遙は50歳で自転車に熱中。高脂血症や高血圧が嘘のように治り、84キロの体重が60キロに、体脂肪率は24%から10%に落ちたという。僕はダイエットに打ち込んでいた昨年2月、「自転車で痩せた人」という高千穂遙の著書を読み、自転車を始めようと思った。この新書に関してはmixiに感想を書いていたので、このブログ内に移しておいた。

自転車はまだ買っていない。でも、そろそろ買う。絶対買う。

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「自転車で痩せた人」

昨日、書店に行ったら、「自転車で痩せた人」という本があったので買う。「痩せた」に反応したのだが、著者が高千穂遙だったのも買った理由。高千穂遙は「ダーティペア」や「クラッシャージョウ」シリーズを書いているSF作家。といっても単行本で読んでいるのは「ダーティペア」シリーズの1冊だけだったりする。以前、キネ旬に映画評をたまに書いていて、けっこう信用していた。「ルパン三世 カリオストロの城」は高千穂遙の映画評読まなかったら、劇場に見に行かなかっただろう。

「自転車で痩せた人」は2006年に出た新書。高千穂遙は50歳の時、血圧もコレステロール値も高く、体重は84キロ、体脂肪率24%だったそうだ。それが自転車に乗り始めて3年で体脂肪率は10%以下になり、体重は50キロ台になったという(身長は172センチ)。ロードバイクで週4回、1日に60キロ走った結果だ。ママチャリ全盛の時代だが、ママチャリとロードバイクのようなスポーツ自転車はまったく別の乗り物だという。ママチャリだと時速15キロぐらいがせいぜいだが、スポーツ自転車の場合、普通の人で20キロは軽く、トレーニングすれば30キロ以上出るようになる。読んでいると、無性に自転車が欲しくなる。あとがきをちょっと引用しよう。

自転車がある。めくるめく奇跡の世界が、たしかにそこに存在している。本書は、そのことをより多くの人に伝えるため、書いた。読んだら、つぎは実行だ。スポーツ自転車の楽しさを存分に味わってほしい。
五十歳?
ノープロブレム!

いろいろなスポーツ自転車があるが、初心者はクロスバイクがいいらしい。「MTBとロードのよいとこどりをしたというフラットバータイプの実用向け自転車」。これの車重10キロぐらいで20段変速ぐらいのやつが理想的か。調べてみると、価格的には数万円からあるが、5万円から10万円ぐらいのやつを買った方がいいかもしれない。で、真剣に購入を検討しようかと思う。