1929年の世界恐慌でも分散投資をしていれば、3年9カ月で収益がプラスに転じたという長期分散投資のメリットを説く。長期分散投資に関して一通りの知識はあるので、新たに学べたことはあまりなかったが、外貨投資に関して参考になることが多かった。「高金利通貨は必ず下落して、それまでの利息収入が吹き飛ぶ」という指摘とその理由には納得。FXや株の短期トレードではなく、長期のコツコツ投資を目指す人は買って損のない良書だと思う。
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遅ればせながら、飴村行の粘膜シリーズにはまった。4作すべて読んだが、ベストはこれ。第弐章「蜥蜴地獄」の秘境冒険SFの部分がたまらない。ページをめくる手が止まらない面白さだ。肉食ミミズだの、巨大なゴキブリだのが攻撃してくる東南アジア・ナムールのジャングルの描写は貴志祐介「新世界より」の奇怪な生物たちがかわいく見えてくるほど。
日本推理作家協会賞受賞作なので、ミステリの部分も申し分ない。グチャグチャグッチョンの描写があるのに、ラストには切なさが横溢しており、この小説の余韻を深いものにしている。傑作としか言いようがない。
粘膜シリーズには河童や爬虫人ヘルビノなどが登場してくる。だから粘膜なのかと思ったが、作者インタビュー(http://bookjapan.jp/interview/090114/note090114.html)によれば、「粘膜というと卑猥なイメージがあるでしょう。グロテスクで、さらに卑猥というイメージ。河童が代表例なんですけど、この小説の登場人物はみんなそういう、グロテスクでどこか卑猥という印象があると思います。だから、登場人物をすべて象徴する言葉として粘膜を当ててみたわけなんです」ということなのだそうだ。
これ、映画化かアニメ化ができないものかと思う。そのまま映像化すると、R-18は避けられないだろうが、監督は三池崇史が適任なのではないかと思う。
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