自宅に帰ったら、「夕凪の街 桜の国」の原作が届いていた。めちゃくちゃ薄い。漫画の部分だけで98ページ。これに3つの話が入っている。夕凪の街一つと桜の国が二つ。最初に訂正しておくと、「広島のある日本のあるこの世界を愛するすべての人へ」という献辞は原作にそのままあった。佐々部清監督が付け加えたものではなかった。
細部の違いはいくつかあるが、映画は原作をそのままなぞったものであることがよく分かる。そして映画の良い部分はそのまま原作の良い部分であることもよく分かる。ただ、原作にある透明な哀しさが映画には欠けている。
「夕凪の街」で皆実が死ぬシーンは原作の方が秀逸で、目が見えなくなるシーンを黒コマではなく白コマにしたのが工夫だろう。というか、全体的に優しい線なので、黒コマは合わなかったかもしれない。
原作がこれだけ短いと、原作を読んで映画を見た場合のように感じることになる。物語が分かっているので先の興味がなくなるのだ。これならば、原作を読んでから映画を見た方が良かったかもしれない。
amazonからメールが来て、水木しげる「総員玉砕せよ!」も発送したとのこと。予定より2週間以上早い。なんだ、それなら待っていても良かったのだ。