「貧困肥満 下流ほど太る新階級社会」

「貧困肥満 下流ほど太る新階級社会」

「貧困肥満 下流ほど太る新階級社会」

買ってみて分かったのだが、これは昨年3月に出た「下流は太る!」という単行本の改訂版だそうだ。著者の三浦展(あつし)によると、「不要な箇所を削除したほか、第1章を大幅に加筆」したとか。この新書の奥付は3月1日だから、わずか1年でほぼ同じ内容の本を出したわけだ。オビに「扶桑社新書2周年記念フェア」とあるので、出版社の意向だったのかもしれないが、いくらなんでも早すぎるのではないか。

かつては金持ちに肥満が多く、貧乏人はやせているのが普通だった。今はなぜ貧困層に肥満が多いのか。それは食事に金も時間もかけられず、ファーストフードやコンビニの食品ばかり食べているから。この指摘はなるほどと思える。富裕層は体型を維持するためにジムに通うこともできるが、貧困層にはそれができないし、時間もやる意欲もない。では、どうすればいいのか。当たり前のことながら、ちゃんとした食事をするしかないのだ。旬の食材を使って、自分で料理して食べる。現実的にはそれが難しいから肥満が増えているんでしょうけどね。

著者はファーストフードが蔓延する現状を「ファースト風土」とダジャレ交じりに言っている。コンビニで売っているおにぎりは古米を利用したものが多く、味をごまかすために添加物を入れているという指摘はありそうだなと思える。以前読んだ美味しい食事の罠―砂糖漬け、油脂まみれにされた日本人 (宝島社新書)によれば、ファーストフードには一般的に脂肪分が多く、だから食べ過ぎると太る要因になる。まずい古米も油まみれのチャーハンにしてしまえば、おいしく食べられる。それに人間の脳には脂肪が必要で、糖や脂肪を摂取すると、βエンドルフィンという快楽物質(脳内麻薬)が出る。だから人間は脂肪を取りたがる。これをやめるにはどうすればいいのか。他の快楽を与えてやればいい、という指摘は「NHKためしてガッテン流死なないぞダイエット」にあった(この本についてはSorry,Wrong Accessに書いた)。

新書の分量は一般的に原稿用紙200枚ぐらいだそうで、読んでいて内容が薄いと思えることが多い。手軽に読めるけれども、印象も薄いことになる。もちろん、新書のすべてがそうではない。僕自身、過去には田中克彦「ことばと国家」のように影響を受けた新書もある。最近の新書の作りが問題なのだ。

本書も最近の新書の例に漏れず、内容的には薄い。3章から構成されていて、第1章がなぜ貧困層に肥満が多いのかの総論。第2章は実際に太っている人たちのルポ(と呼べるほどのものでなく、実例の紹介)、第3章は座談会である。個人的にはこの第3章を雑誌で読むだけでも良かったかなと思えた。


2 thoughts on “「貧困肥満 下流ほど太る新階級社会」

  1. 45

    毎年のゴルフトーナメントのバイトで感じるのですが、お金持ってそうな人たちはツヤツヤしていてすごく肌触りが良さそうです。
    お肌も着てるものも。

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