「美人とは顔の造作+他人が勝手に読み取る内面情報」と書いてあるのにすごく納得。常々思っていたことだからだ。美人と思う芸能人、ブスと思う芸能人というアンケートで、黒木瞳が美人にもブスのリストにも入っていたというのにも納得。黒木瞳の顔かたちは整っているけれども、僕は女性としての魅力は一切感じない。黒木瞳から受ける内面情報が僕の嫌いなタイプであることを示しているからだ。
岡田准一と共演した「東京タワー」なんてその最たるものだった。この人、「自分は美人よ」という意識がふつふつと全身から発散されていて、それがどうも僕には合わない。もちろん、他人が受け取る内面情報が正しいとは限らないから、ちょっとしたことで嫌いから好きに変わることもあり得る。つまり人がある人を美人かどうかを判断するということはその人を好きかどうかということであり、その人の内面も判断基準に大いに関係しているのだ。
クスクス笑いながら、いろんな指摘に納得できて、とても面白い本だ。女性は必読。目からうろこが落ちるほどではないが、男が読んでももちろん面白い。著者の中村うさぎは美容整形をしたが、その理由は「顔について、これ以上、他人からあれこれ言われたくない」ということであり、男にもてるためではなく、あくまでも自分のためという。自立した女であるバービー人形のようなビジュアルが理想なのだそうだ。
くらたま(倉田真由美)は、「女の価値は男が決定する」と思っている。しかし、私はそうは考えない。女の価値を決定するのは、同性の女たちなのである。そして、バービーは「男の欲情のシンボル」ではなく「女の欲望のシンボル」であるがゆえに、女たちからは熱い羨望の眼差しを注がれ、彼女たちのボディイメージの理想モデルとなりうるのだ。
言い換えれば、バービーの肉体が意味しているのは「セックス」ではなく、「ファッション」なのである。
そして、整形をした結果、「自分の顔にまつわる面倒な自意識を手放した」。
ブスなのか美人なのか、と、他人の評価に揺れ動くこともなくなった。ブスか美人かは他人が判断することかもしれないが、好みの顔かどうかは私が判断することだ、と、自分で顔を選択した今なら、堂々と言えるからである。
自意識の安定……結局、我々が求めるのは、それではないか。他人の評価は安定しないし、信用できない。しかし、自分の好みは、自分で決めればいいんだもの。
さて、それでは内面情報はどうなのか。美人が発する内面情報を著者は「美人オーラ」と言う。美人オーラの三大要素は気品、知性、優しさ。お薦めは優しさだそうだ。気品や知性は本物の中身がある程度備わっていないと、メッキが剥げた時にかえってヤバイ。付け焼き刃の『気品』や『知性』は、あっという間に見透かされて、「何よ、上品ぶっちゃって」「頭いいふりしてるけど、じつはバカなんじゃん?」ということになり、美人オーラのつもりが強力なブスオーラになってしまうからだ。
僕も美人は好きだが、嫌いな美形の女性というのも数多く存在し、それがつまりはその人が発散する内面情報によるものなのだ。この本を読むと、女性が顔の美醜という基準に振り回されていることがよく分かる。それを形成しているのは根本的には連綿と続いてきた男社会なのではないかと思う。
著者の美人論のほかに、巻末には対談が二つ付いている。その中の一つ、もてない男・小谷野敦との対談で、「実家が金持ちであったらモテただろうと思いますけど」という発言に対して中村うさぎが「ううーん、どうしてそっちに行くかな」と言っているのはちょっと違うと思った。
女性が美人であることと、男が金持ちであることは同じという指摘を以前、小林信彦の本で読んだ。それはハワード・ヒューズの言葉だったか、映画で描いていることだったか忘れたが、そういうことなのである。男の魅力に経済力が関係ないとは言わせない。おとぎ話でお姫様が結ばれるのはハンサムである上に裕福そうな「白馬に乗った王子さま」であり、ハンサムではあるけれど金はない「白馬に乗ったホームレス」では決してない。
すべての経済力のある男がもてるわけではないし、経済力のない男がもてないわけでもないが、それは美人でももてない女性や美人じゃないのにもてる女性がいるのと同じこと。男と女では評価の基準が違うのだ。
【amazon】美人とは何か?―美意識過剰スパイラル (集英社文庫)
はははーーーーーー(^◇^)納得、納得!
私、身近な女性で、この人っていいよね~って思う人に一般的に見て「美人」はいません。
もぉう、美人じゃないけど可愛くて可愛くて仕方ない!って人ばっかり。
あー、ヤバイなぁー・・・・そうかぁー、私、だからモテないのかなぁーーーー(^^ゞ(^◇^)
イヤな突っ込みしないで下さいよ・・・・・これでも地味に大きく傷つくんですから・・・・・( ^^) _U~~
私の場合、男性の基準は確かにそうです。
どんなに色男だろうと、金と力のない男性はイヤです。
男妾持つほどの甲斐性が私にあれば、お金ないのに頑張って花束くれたの~、なんて感激したりするかもしれませんが、それでもやっぱり男性には可愛い可愛いしてもらうほうがいいなぁ♪
それって、45さんが周囲で一番美人だからじゃないの?(スリスリ)
45さんは十分、内面情報も美人オーラを発散してると思いますよ(スリスリスリスリ)。
男はやっぱりある程度の経済力は必要ですよね。
こないだhiroさんの頭を叩いたとき、近くに座っていたオバサマたちがすっっっっっっごく驚いていました(^^ゞ
そりゃそうですよねぇー、あははー、思いだして笑えます。
まぁ♪そんなスリスリされたらさすがに舞い上がっちゃうわぁ♪うふふー♪
一番驚いたのは僕です(~_~;)