投稿者「hiro」のアーカイブ

「PLUTO」第7巻

「PLUTO」第7巻

「PLUTO」第7巻

昨日、書店に行ったら、長男が「出てるよ」と言ったので買う。奥付を見ると、2月に発売されたのかな。6巻まで一気読みしたのが、昨年8月。これは浦沢直樹作品ではベストではないかと思った。7巻を読んでもその印象は変わらない。

浦沢作品は「20世紀少年」も「モンスター」も長すぎる傾向がある。話がもう終わってもいいと思えるのにそれでも延々と続くのは、たぶん雑誌編集者の要請もあるためだろう。「PLUTO」は8巻で終了するという。手塚治虫「地上最大のロボット」という枠組みがあることが幸いしているのだ。話の細部を膨らませることはできても、最強ロボットのPLUTOがアトムを含む世界最高水準のロボット7台を倒すというプロットを大きく変えられないのだ。これは足かせではあるけれど、浦沢作品には有効に作用した。

7巻ではついにエプシロンも死んでしまう。そしてこれまで断片的にしか見せなかったPLUTOの全体が初めて描かれる。6巻までに主人公の刑事ロボット・ゲジヒトが死に、アトムも死んだが、この2人が復活することは容易に想像がつく。7巻では予想通り天馬博士の手によってアトムが復活した。

7巻まで読んで感心するのはドラマティックな見せ方で1巻の最後のアトムと2巻の最後のウランの登場シーンや初めてアトムが空を飛ぶシーンには胸が震える。続きを読みたくて仕方がない気分にさせる。オリジナルを超えるリメイクであることは疑いの余地がない。もうあとはボラーとの決着がつく8巻を待つだけだ。6月発売が待ち遠しい。

「WordPress2.7カスタマイズブック」

「WordPress2.7カスタマイズブック」

「WordPress2.7カスタマイズブック」

WordPressのテーマをカスタマイズするためのガイドブック。プラグインの解説はない。最初にローカルでのテスト環境を構築するためにXAMPPをインストールするよう書いてある。これは先日、デスクトップ(XP)の方にインストールしたところだった。4年ほど前のものだったApacheを2.2にバージョンアップしたら、ドキュメントルートに置いてあるphpinfo.phpが表示されなくなったのだ(ファイルのダウンロードになる)。いろいろやってもダメなので、XAMPPを一括インストールしてみようと思ったわけ。ま、インストールしても設定ファイル(httpd.conf)は上書きされなかったので、症状は変わらなかったのだけど。結局、ユーザーディレクトリではちゃんと動作していることが分かった。ドキュメントルートの設定が悪かったのか。考えてみれば、テスト環境なんだから、ユーザーディレクトリなど作る必要はないのだ。実際、ノートパソコンではそうしている。

それはそれとして、XAMPPのホームページではVistaの場合、「通常のインストールではインストールが成功しない場合」があると書いてある。ユーザーアカウント制御でProgram Filesフォルダ内のファイル書き換えができないためだ。本書にはそういう注意事項は書いてない。これで失敗する人もいるのではないか。と思ったが、インストールしてみると、C:\XAMPPというフォルダにインストールされた。これならVistaでも問題ないのではないか。

本書の内容に戻ると、テーマの構造とカスタマイズの仕方を詳しく説明してある。カスタマイズはデフォルトで入っているテーマのClassicとDefaultに関して書いてある。これがカスタマイズできれば、自分でテーマを作ることも可能というわけ。僕はPHPに関しては少しかじっただけだが、テーマフォルダの中にあるファイルについては、どこをどうすれば良いかはいじっているうちに分かった。より詳しくPHPを知っている人なら、この本の必要性は感じないだろう。

つまり初心者向けの本だ。ただし、PHPに関する概要も書いてはあるけれど、この本だけではまったくの初心者には難しいと思う。というわけで、対象はHTMLとCSSはしっかり知っていて、PHPも少しぐらいは分かるぞという人になるだろう。まったくの初心者はWordPressを自分でインストールしてカスタマイズしようなんて考える人は少ないだろうから、これで良いのかもしれない。

「ミステリマガジン」4月号

「ミステリマガジン」4月号

「ミステリマガジン」4月号

「翻訳ミステリ応援団!」が面白い。北上次郎、田口俊樹に書評家の池上冬樹、石井千湖、小山正、杉江松恋を加えた座談会。「ミステリマガジン」に掲載されてる短編は読者に読まれてる率が少ないという杉江松恋の指摘はもっともで、僕もほとんど読んでいない。ミステリマガジンは書評とエッセイを読むために買っているようなものなのだ。

小山正が言及している故瀬戸川猛資の「夜明けの睡魔」はミステリマガジンに連載されていた頃、楽しみに読んでいた。ちょうどハードボイルドを集中的に読んでいた頃で、本格ミステリに詳しい瀬戸川猛資はハードボイルドに理解がないので反発も覚えたのだが、その中で「唯一分かる作家」として紹介したのがロス・マクドナルド。ロスマクの本質は本格ミステリという指摘に目から鱗が落ちた。こういうミステリのイロハを教えてくれる本は大切で、今はそういうのがあまりないことも翻訳ミステリの低調を招いた要因なのかもしれない。優れたブックガイドが必要なのである。

amazonのレビューを見ると、「夜明けの睡魔」はみんな褒めてますね。連載は1980年に始まったそうだ。確かにそのころだったな。今は文庫になっているので、買っておこうかと思う。

作家インタビューの「迷宮解体新書」は湊かなえ。写真が掲載されている。最初は脚本家を目指したが、地方にいては脚本家は無理と言われ、小説に方向転換したのだそうだ。「告白」は短編の「聖職者」が小説推理新人賞を受賞した後、編集者と話し合い、本にするために残りを一気に書き上げたとか。第2作の「少女」に続いて今年前半に第3作の「贖罪」が出るそうだ。

「NAVI」4月号

「NAVI」4月号

「NAVI」4月号

ダイナミックセイフティテストは日産ティーダ対ヒュンダイi30。驚いたことにヒュンダイの勝ち。ティーダはCVTが災いしているようだ。僕が以前乗っていた車も日産車でCVTだった。乗っている時には気づかなかったが、乗り換えた今になって考えると、アクセルを踏んでも確かにワンテンポ遅れて加速していた。テスターの清水和夫によれば、急ブレーキ後、すぐにロウギアに戻らないという。これでは危険回避に不安がある。VDC(ESP)も標準装備ではないので、ダブルレーンチェンジテストでも点数が悪くなる。「ちょっとおっかない」感じなのだそうだ。

ヒュンダイの点数が良かったからといって、乗りたいとは思わないのだが、既にヒュンダイは生産台数規模では日産もホンダも抜いているそうだ。清水和夫が言うように円高ウォン安が続けば、日本でも売れるようになるのかもしれない。

特集は創刊25周年特集として「1980年代再び」。徳大寺有恒、舘内端、大川悠のかつてのNAVIトークの3人が25年を振り返っている。NAVIに今、以前よりも魅力が欠けるのはこの3人のトークがなくなったことが大きい。このほか、1993年から99年まで続いた「それゆけ徳大寺有恒と消費者派隊」が復活し、ホットハッチ5台(アルファ・ロメオミート、フィアット500、MINIクーパーS、ホンダフィットRS、フォルクスワーゲンポロGTI)を取り上げている。これは今月だけの復活なのかな。ポロは新型が出れば、家内が買い換える時に候補に挙がるんだがなあ。

来月号はトヨタ特集だそうだ。うーん、どういう特集になるんだろう。

「キネマ旬報ベスト・テン80回全史」

「キネマ旬報ベスト・テン80回全史」

「キネマ旬報ベスト・テン80回全史」

キネマ旬報ベストテン一覧にデータを追加するのに1986年から1988年までの決算号が見あたらなかったのでamazonで購入。2年前に出た本で、内容は各決算号の採点表と解説の再録。ほとんど持っている本にある内容だったが、戦前のベストテン作品のデータに関しては持っている本にはなかった。この本には監督、出演者など簡単なデータが付いている。

これで上映時間と製作年も入れてくれれば、言うことはなかったんですけどね。過去のキネ旬の決算号を見て驚くのは実に1970年代半ばまでは上映時間なんて書いてないこと。代わりに○巻○○メートルという表記がある。昔のキネ旬は業界誌みたいなものだったので、こういう表記は映画館側には役に立ったのだろう。映画のパンフレットには未だにこういう表記は残っている。「チェンジリング」には「全8巻3,914メートル」とある。